2025年大阪関西万博。
開催に先立って行われたコンペティションに参画し、
優秀賞を受けたロゴマークデザイン案。
CONCEPT / 共創される未来へのロマン
多様な価値観が混ざり合い、未来を共創していく「営み」をシンボライズした。広大無辺な可能性の中を巡る巨船のような佇まい目指し、万博に訪れる人々が抱くロマンや期待、あるいは未来に対する不安など、あらゆる思いを受容できる大きなキャパシティーを与えた。寄り添う三つの立体は、「自然環境」や「テクノロジー」「生命」など、地球上のあらゆる「個」を抽象化したものである。また、それらが共創するマークの造形は「万博」、ひいては「地球」の営みをダイナミックに表現していく。
SYMBOL TEXTURE / 「個」の中にある力
「個」の中に生まれる「共感」や「変化」「生命力」を表現したシンボルテクスチャを規定した。溶け合い、常に変化するテクスチャは非常に高い汎用性を持ち、あらゆるメディアにおいて独創性の高い体験を生み出していく。
SIGNATURE REGULATION / 複雑性の秩序
省略・誇張することで最小サイズのテクスチャを規定。複雑性や有機的な印象=地球規模の営みを体現する重要なシズルを保つため3種のサイズ別テクスチャを用意した。
背景色とロゴの色が被る場合、白抜きで対応することが一般的である。しかし、本デザイン案においては、あえて色を跨いでロゴを配置することで、「多様な価値観の混ざり合い」などを表現するための視覚的効果を生み出せると考えた。
OFFICIAL TOOLS / 体験の記憶媒体
ロゴマークやシンボルテクスチャは、チケットやエコバックなどに展開され、細部から万博のイメージを演出する。印象的なツール群は、訪れる人の記憶媒体として働き、半年間のイベントの記憶をより永続的なものへと昇華するのである。
COMMUNICATION / 期待感とロマンの醸成
ロゴマークはそれ単体でもコミュニケーションに大いに寄与する。さらにロゴマークは立体化しバルーンへ、シンボルテクスチャは写真や動画メディアと融け合い、独自の視覚体験へ。科学を超越した自然的な造形は、雑多な都市やデジタル領域で際立ち、万博開催の期待感はもとより、地球の未来へのロマンを醸成する。
UNIVERSAL / あらゆる人が楽しめる万博へ
万博へ訪れる多国籍な人々がストレスなく回遊できるサイン計画。シンボルテクスチャは壁面にプリントされ独創的な空間を演出。また、立体化することで視覚障害など身体的特徴を持つ人も「万博」を体験できる展開も可能だ。
INTERACTION / 万博の思想を体感する
営みをシンボライズしたロゴマークは、万博のメッセージを体感してもらうためのインタラクティブな装置へ自然と還元される。
OSAKA, KANSAI and JAPAN / 日本のプレゼンテーション
万博は地球規模で物事を捉え、未来について思考する機会であるとともに、関西・大阪など日本について知ってもらう貴重なプレゼンテーションの場でもある。汎用性の高いシンボルテクスチャーは、例えば「お好み焼き」のソースとマヨネーズに用いることで、大阪らしい少し「おもろい」体験へと姿を変える。